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緑の岬から from Cabo Verde

アフリカに暮らしている日本人のブログです。人生のこと、人間のこと、宇宙のこと、精神のこと、神様のこと、いろんなことを書いていこうとおもいます。

会社を辞めて思う

僕が仕事を辞めた1か月後、同じ時期に入社した別の課の元同僚が、

「俺も辞めたよ~ ハハハ。」

とヘラヘラ言って飲みに誘ってくれました。

そんな軽い気持ちで仕事を辞められたら、どんなに楽だったろう。そう思いました。

 

会社員だったときのことを振り返って、今こう思います。

あの会社にいた一年間は自分の人生でボトムだったから、自分のこれからの人生において、今後どんな道を歩もうとも、あの会社に残ることを選択して待っていたであろう人生よりも悪くなることはない。あんなに惨めな気持ちになるくらいなら、もう気負わずに、弱い自分のままでもういいや。そもそも地球はエデンの園なんだから、この楽園でゆっくり生きて行こう・・・

 

 

会社員だった時期は、まったく素の自分になれない時期でした。

たとえ素の自分になったとしても、「営業マン」は完全に向いていない仕事だったと思います。

―何か注文ありませんか?

「ないです。間に合ってます。」

取引先すべてからそういわれたらどうすればいいでしょう?

翌日もまた電話するべきなのでしょうか?

 

取引先に電話をしてはそんなことの繰り返しで、勤務時間は埋まりません。しかたがないので同僚に、

「なにか手伝うことありませんか?」

と聞いてばかり。

仕事がない、必要とされてない・・・たかがそんなことがこんなにつらいんだと初めて知りました。

「仕事がなかったら探せばいい」

と人は言うでしょう。

でも、僕は無理でした。本当に無理でした。

甘えているといわれるのかもしれません。僕もそう思います。でも本当に何もできませんでした。

「そんなの社会人失格だ」とか「どこの会社だってそうだ」とか、それは真っ当な意見でしょう。でも、そうならば、僕は社会人失格でもなんでもいい、僕は一生アルバイトでいいので、ラクして生きて行きたい。そう思うに至りました。

 

僕の今の仕事は国際協力関係の仕事です。

この仕事を始める時は、「上司が嫌な人だったら、3日以内に絶対に辞めてやろう!」という心構えだけは持っていましたが、運よく、上司も同僚も良い人で、仕事自体もストレスが少なく、1年くらい続けられています。

この仕事では出張の経費が30万円くらいかかります。会社員の時は30万円の出張をするなら、最低でも30万円以上は稼がなければいけないと言われました。

今の僕の出張に30万円以上の価値があるかどうかは正直わかりません。

 

この仕事では、最低でも一度に約1000万円のお金が動きます。

僕はそんな大金を支払う側にいる人間の一人です。

会社員時代は数千円の利益を出すためだけに心臓が壊れてしまいそうだったし、精いっぱいやっても数万円しか利益が出せませんでしたから、その時期と比べると、大違いです。

しかも、それは税金です。毎年必ず、僕の仕事がどうとか、僕の営業努力がどうだとかとは無関係に、財務省が勝手に日本国の国際協力の経費として割り当ててくれるお金です。

年収1000万円を稼いでいる人は日本にたくさんいるでしょう。家を買ったり、子供の学費を払ったりして、何百万円から何千万円のお金の重みを理解している人もたくさんいます。

でも、そんな人たちでも、全くの無から1000万円の利益を作り出している人はなかなかいないはずです。

大企業に勤めたり、国家公務員や大きめの自治体の公務員になったりできれば、ある年齢以上まで勤続すれば、意地悪な言い方をすれば、なにもしなくても、年に1000万円が懐に入ってきます。

でも、そういう人を、着の身着のまま一文無しにして、見ず知らずの街へほっぽりだして、「さあ、これから一年間、自分一人の力で1000万円稼いで、ここに持って来い」と言って、いったいどれだけの人が一年間で1000万円を持ってこられるでしょうか。

 

「1000万円の収入を得る」だけなら、自分一人でできます。大企業に入る努力をすればいいのです。

でも、「1000万円の利益を上げる」のは人間一人の力だけではなかなかできません。国家や会社のバックボーンがあるから1000万円という大金を手にできているんでしょう。

 

僕は、僕の人間一人としての力は本当に弱いのだということが、会社勤めの経験を通じてわかりました。

たまたま日本に生まれたから、運よく今の仕事にありついて、経費が30万円もする出張に行かせてもらっています。アフリカの途上国に生まれていたら、どんなに努力をしても、生涯賃金は先進国民の平均的な年収程度にしかならないような気がします。僕なんか真っ先に野垂れ死にしているでしょう。

 

会社員時代を通じて、「僕は一般の会社員的な努力すらできない人間だ」ということは証明されました。

だから、頑張れないなら頑張れないままで、その自分を許してあげながら、生きて行こうと、そう思うようになりました。

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