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緑の岬から from Cabo Verde

アフリカに暮らしている日本人のブログです。人生のこと、人間のこと、宇宙のこと、精神のこと、神様のこと、いろんなことを書いていこうとおもいます。

優しかった先輩、隣の課の課長、本当は優しかった直属の上司

入社して2か月くらいのこと。

入社したてなのに来る日も来る日も仕事が与えられず、周りは忙しそうにしているのに、自分は何もすることがない。そんな状況にいたたまれなくなりながら雑用をしている。そんな僕に上司は「お前なにもしねえなぁ!」とネチネチ怒る。

そんなつらい状況に必死に耐えて頑張っていたころのことです。

仕事が終わったあとに先輩から誘われて飲みに行きました。

先輩は僕より一回り年上で、僕と同じ中途採用ですが、同じ業界で20年くらいやってきたベテランの方です。

優しい方で、仕事を振ってくれたり(まあ雑用ですが)、わからないことを聞くと、丁寧に教えてくれる人でした。

 

「○○(僕)くんさぁ、前の職場ではどんな仕事だったの?」

―前のところですか?基本的な仕事は出張者の人のホテルとか、航空券とか、車とかを手配したり、空港まで送り迎えしたりする仕事でした。

「え?そういうのは俺もやってたよ。他にはないの?」

先輩は他の会社で海外支社に駐在していたこともある人でした。

―あとは、そうですね・・・日本に行きたい学生に対して日本政府の奨学金の受付をしたり、留学生の募集をしたりとかいう仕事です。

「そうなんだ。」 

そういうと、先輩はこう言いました。

 

「ちゃんと頑張んなきゃダメだよ。」

 

え・・・?僕はこんなに頑張ってるのに、なんでそんなこと言うんだろう・・・

「○○(僕)くんね、見てるとさあ、仕事ないの?自分の給料分くらいは利益ださないとさあ、やっぱり意味ないからさあ。」

その時に気付きました。

僕は自分では頑張っているつもりでしたが、僕ががんばっていたのは「つらい状況に耐えること」や「相性が悪い上司との関係に悩むこと」や「周りの人に『仕事くれませんか?』と言う勇気を出すこと」でした。

けれども、先輩の言う「頑張る」とは、「営業職として会社の利益のために営業成績を出す努力すること」でした。

僕が以前の職場、大使館でしていた仕事は現実世界(民間企業)では「ただの雑用」だったことに今気づきました。

 

www.ihcsa.or.jp

↑前の仕事はここのこれです。 

空港送迎や出張の手配、ホテル・航空券の予約なんて、なんのお金も生み出さないただの雑用、普通の会社では暇な人がやればいいだけのことだったのですね。

「ただの雑用を仕事だと思って、何の費用対効果もコスト意識も持たずに時間をかけていただけだったんだなあ・・・」

そう思って、前の職場にいた3年間が空しく思えてきました。

 

よくこういうのがあります。

いじめられっ子が、いじめっ子からのイジメやクラス中からの無視に耐えてながら、頑張って学校に登校してくる。

でも、いじめられっ子はいじめられないように体力をつけるとか、勉強を頑張るとか、いじめっ子に殴り返すとか、そういうことを「頑張っている」わけではないのです。

昔は、いじめが原因で自殺するニュースを聞いてて、

「自殺するくらいなら学校行かなきゃいいじゃん。どうせ自殺するなら自殺する前にいじめっ子に復讐してから自殺すればいいじゃん。」

とか思っていましたが、精神的に落ち込んでしまうとそんな冷静で前向きな判断もできなくなるのだということが30歳を過ぎてわかりました。 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

先輩は、僕が社内失業状態に陥っていることはわかっていたようですが、

「雑用ばかりして、自分から仕事をしようとしない人」とだけ思っていたようで、僕が社内失業状態で精神的に塞いでいるということはわからなかったようです。

 

先輩の他にもう一人優しい(という温和な)人がいました。

隣の課の課長です。

隣の課の課長は新入社員のころはもともと僕の直属の上司のもとで、いびられ、しごかれながらそれでも負けまいと仕事で実力をつけて成績を上げて課長まで昇進した人で、それだけでも本当に尊敬する人でした。

「君は頑張ってるよ」

とか

「偉いね」

とか、

「君は頭いいんだからさ」

とか、傍から見たら「雑用ばかりして自分から仕事を何もしない人」で上司から怒られているだけの僕にいろいろと慰める言葉を言ってくれました。

正直なところ、「君は頑張ってるよ」と口では言ってくれますが、心の中ではそう思っていないことはわかりました。よそよそしかったし、褒め言葉と表情がぜんぜんあっていなかったです。

それでも口でそう言ってくれるだけでそのころは本当にうれしかったし、元気になれました。

 

色々ときついことを言う僕の直属の上司も、ただ単に性格が悪いから、僕をいじめたいから嫌味を言っているわけではなく、本当は、「俺はあいつに期待してる」、「早くできる人材になってほしい」、「自分で仕事を生み出せるビジネスマンになってほしい」、「会社のしっかりとした戦力になってほしい」と思ってるから僕にきつく当たるのだということもわかっていました。

隣の課の課長が飲みに誘ってくれたときのこと。

 

「あのね、さっき君の直属の上司から電話があってね、その人なんて言ってたと思う?」

―え、なんて言ってたんですか?

「『今日もあいつのことガミガミ怒っちゃったから、俺から飲みに誘ってもあんまり意味ないからさ、お前からあいつのこと慰めてやってくれないか?』って言ってたんだよ」 

そんなこと後から言うなら、最初から怒らなきゃいいのに・・・

と一瞬だけ思いましたが、「このまま会社にいて耐えていれば何かいいことあるんじゃないか」と思い直して、「あの上司も心の中は本当は優しいんだ。よし明日から頑張ろう」と考えていました。

 

優秀な営業マンや会社の創業者等、社会で成功する人にはサイコパスな人が多いそうですが、そういう人は無意識のうちに、優しい言葉と暴力を巧みに繰り返して、アメとムチで人の心をうまく支配していくそうです・・・

一般的な認識とは異なり、多くのサイコパスは、冷血漢でも精神異常の殺人鬼でもない。彼らの多くは、自らの特性を生かして人生で欲しい物を獲得し、多くの場合は他人を犠牲にしながら、一般人の中でうまく生活している。≪NEWS WEEK≫より

www.newsweekjapan.jp

 

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